ゆけッ! やっせんぼ・とよちゃん!

スピーカーの自作記録 その2 (2013年6月2日)





なんで?

いやぁ、スピーカー作ってからもうまる3年たつし、いい加減飽きましたわ。( ̄∀ ̄)

普通のスピーカーじゃ面白くないし、アルミチューブのエンクロージャーが気に入っているので、今回は振動ユニットだけ交換することにしました。 どうせなので、

  • 今使っている振動ユニット DIY AUDIO SA/F80AMG よりワンランクアップして
  • 更に低域も出るヤツ
ってことで。(⌒〜⌒)




振動ユニット選定

どんな振動ユニットにするかコイズミ無線さんを覗いてみたところ、今のエンクロージャーの直径13cmにぴったり合う円形フレームの振動ユニットがあることを発見しました。
で、候補に挙がった振動ユニットは

の3つです。 [] の中は、2013年6月1日時点での 振動ユニットあたりの値段です。 今使っている振動ユニット DIY AUDIO SA/F80AMG は 4,000円弱 なので倍くらいの値段のものにしました。

まず MarkAudio Alpair 7 (Gen.3) ですが、データシートを見て速攻却下でした。 周波数特性は抜群ですが、フレームがプラスティックって。。。バカすぎ。 コーンが空気を押す力はすごいです。 プラスティックにもよると思いますが、剛性が足りなくて低域がぼやけるとか特定の周波数で音が濁るとかの可能性があります。 低音が欲しくて振動ユニットを変えるので、念のため除外。

FOSTEX FE108EΣ にするか PARC Audio DCU-F131W にかるかずいぶん悩んだのですが、結局 F0 がより低い PARC Audio DCU-F131W にすることにしました。




製作工程 その一 : 振動ユニットとおもりの接着

DIY AUDIO SA/F80AMG には 2kg のダンベルを使用していますが、今度は振動ユニットが大きくなるので 3kg のものにしました。 Amazon で 1本 1,480円でした。



振動ユニットは PARC Audio DCU-F131W です。
実物はもっとかっちょ良いです。



接着剤はエポキシ系で2種類のへーストを混ぜて使うやつ(前回製作時の残り物)です。 ゆっくりと3時間で固まる奴で、30分で動かなくなり 3時間で実用に耐えるまで固まります。 24時間で完全です。 実際は、着けて5分もすると動かなくなってしまいます。



で、振動ユニット PARC Audio DCU-F131W とダンベルを接着した状態がこんな感じ。




製作工程 その二 : 最終組み立て・・・一応完成?

振動ユニットとエンクロージャーの間には緩衝材を挟みます。 今回もダイソーで売っている衝撃吸収パッドを使いました。



4cmx4cm のサイズなので、1cmx1cm に切って 厚さ 1cm のエンクロージャの縁に適当に並べます。 贅沢に使っても5枚しか使いませんでした。



吸音材は、筒臭さを消すためのフェルトに加えて、コイズミ無線さんで売っているサーモウールを緩めにつめてみました。 ここらへんは将来色々と変えるかもです。



最後に、ダンベルを接着した振動ユニットをエンクロージャーにのっけて完成。。。チョー簡単。( ̄∀ ̄)




製作工程 その三 : 最終組み立て・・・なんとなく完成

。。。と一息ついてよくよく見てみると あれ。。。振動ユニットがちゃんと衝撃吸収パッドに乗っていない。。。(°□°;) 予想していたよりフレームの直径が大きくて、フレーム(の斜めになっている部分)とエンクロージャーが干渉してしまっていました。(┳◇┳) あと 5mm くらいかさ上げしてあげれば何とかなる感じ。

このままではいけないので、急遽ダイソーの衝撃吸収パッドの代わりに ローラー台用に買ってあったフロアマットを使うことにしました。



こいつをダイソーで売っているコンパスカッターでリング状にくりぬきます。 一枚 5mm 強の厚さなので、それぞれ2枚ずつ計4枚作りました。
因みに、簡単にくりぬけます。



で、ダンベルを接着した振動ユニットをリングと一緒にエンクロージャーにのっけて完成。。。チョー簡単。( ̄∀ ̄;)




製作工程 その四 : 最終組み立て・・・ついに完成。。。か!? (2013年6月5日)

てか、やっぱだっさいので、ダイソーでソフトマットを買ってきました。 サイズは 61cmx33cmx1cm。 値段は 100円。



同じ様にこいつをダイソーで売っているコンパスカッターでリング状にくりぬきます。 一枚 10mm の厚さなので、それぞれの振動ユニットに1枚ずつ作りました。
因みに、チョー簡単にくりぬけます。(⌒〜⌒)



で、ダンベルを接着した振動ユニットをリングと一緒にエンクロージャーにのっけてチョー完成。。。スーパー簡単。( ̄∀ ̄;)

重量は 1つ(片チャンネル)あたり約8kgです。

パーツ 重量[g]
振動ユニット 1 1010
おもり(ダンベル) 1 3000
アルミ底板 1 339
アルミ管 1 3562
インシュレータ 3 51
総計 7962




音質について その一 : できたてほやほやを聴いた感じ (2013年6月2日)

さて、音質についてですが、流石に価格がちょっと高いだけあって良い音です。 補正用フィルタはまだ計測していないので、ラウドネス特性補正だけで聴いていますが、とっても良い音です。 低い音が余裕で出ています。 高い音もちゃんと鳴っている感じです。
てか、補正用フィルタいらなくね?。( ̄∀ ̄) 十分良い音だわ。

Perfumeさんの「エレクトロ・ワールド」、「Dream Fighter」、「GAME」、「未来のミュージアム」等を聴いてみました。。。うぉぉぉぉぉぉo(≧∇≦)oって感じです。

加藤いづみさんのアルバム【favorite】から「中央線」、「見上げてごらん夜の星を」、「風をあつめて」、「どんなときも」等を聴いてみました。。。はあぁ〜〜ん(*´∀`*)って感じです。

エイジングで音質が変わっていくのかもしれないので、続きはまた来週。




音質について その二 : 1週間聴き込んだ感じ (2013年6月8日)

最初緩めにつめたサーモウールですが、なんだかこもった感じに聴こえたので とってしまいました。 結局、エンクロージャーの底にフロアーマット、側面にフェルトを敷いた状態です。

色々と聴き込んでみて、正直 DIY AUDIO SA/F80AMG と大して変わらないような。。。( ̄∀ ̄) ただ、ユニットの面積が大きい分低音が楽に出ている感じです。 逆に言えば高域がでていないって事ですかね。

詳細は周波数特性で。。。




音質について その三 : 周波数特性の計測 (2013年6月9日)

DIY AUDIO SA/F80AMG を使った状態と PARC Audio DCU-F131W を使った状態で周波数特性を計測しました。

念のため書いておきますが、ここでの周波数特性はエンクロージャーの形と測定を行った部屋の影響を受けています。 また、マイクの位置は正面ではなく試聴位置(つまりほぼ横)ですので、その影響も大きいと思います。

使用マイクは audio-technica AT9903 (ピンタイプ)です。 マイクアンプは、マイクにも小さいやつが付属しているのですが、今回は audio-technica AT-MA2 を使いました。 サンプリング周波数は 192000kHz、FFTサイズは 16384 で、ホワイトノイズを使って測定しました。 特性は、ホワイトノイズを180秒鳴らして平均したので、結果 1500 回くらい平均をとっています。 朝と夜、時間を変えて2回計測して 同じ特性が得られました。 かなり信頼度が高いと思います。

右の図が機器の接続です。



以下、それぞれのスピーカーの構造図と周波数特性です。 左スピーカーの 1kHz でのレベルが -20dB になるように全体のレベルを調整してあります。

DIY AUDIO SA/F80AMG

周波数特性は、ピンクのラインが左スピーカー、黄緑のラインが右スピーカーです。

    



PARC Audio DCU-F131W

周波数特性は、青のラインが左スピーカー、黄色のラインが右スピーカーです。

    



特性比較

右図は、DIY AUDIO SA/F80AMG (ピンクのライン) と PARC Audio DCU-F131W (青のライン) の左スピーカーの周波数特性比較です。

DIY AUDIO SA/F80AMG の方が、100Hz 以下と 10kHz 以上で レベルが上ですね。 ユニットが一回り大きいので PARC Audio DCU-F131W の方が高域が落ちてしまうのは仕方ないですが、低域も負けてるってのはどういうことよ。( ̄○ ̄;)




音質について その四 : 周波数補正特性 (2013年6月9日)

オーディオプロセッサで補正するためのフィルタを計算しました。 つまり、上の周波数特性の逆特性ですね。

右図が、単純に逆特性を計算した結果です。 赤のラインが左スピーカー、緑のラインが右スピーカーです。



上の特性をそのまま使うと高域が上がり過ぎて良いこと無いので、18kHz あたりでカットしてあげます。 結果が右図です。 青のラインが左スピーカー、黄色のラインが右スピーカーです。




音質について その五 : サーモウール (2013年6月22日)

上で「サーモウールを入れたらちょっとこもったような音になった」と書きましたが、改めて試したところ 素で聴いたとき全体的に絞まった様に感じました。 多分低域が抑えられた分相対的に中高域が上がったのだと思います。
そこで、サーモウールの量を変えて周波数特性を計ってみました。

下の3つの図が、サーモウールの入れ方です。

         
(1)      (2)      (3)


下の3つの図が、それぞれの周波数特性です。
ホワイトノイズを3秒鳴らして計測しました。 (1) の左チャネルの50Hz以下がやたらと上がっていますが、多分計測のタイミングで環境ノイズ(車のエンジン音等)まで録ってしまったせいだと思います。

(1)
赤 : 左、  緑 : 右
(2)
水色 : 左、  黄色 : 右
(3)
紫 : 左、  黄緑 : 右


下の図は、サーモウール無しの場合と上の3つのケースの左チャネルの特性を比較したものです。 100Hz以下は無視すると、サーモウールが増えるにつれて 100Hz〜500Hz の帯域が押さえられているのが分かります。

サーモウール無し : 茶色、 (1) : 赤、 (2) : 水色、 (3) : 紫


素で聴いたときに (1) の聴こえ方が良さ気だったので、オーディオプロセッサで補正するためのフィルタを作って オーディオプロセッサを通して聴いてみました。。。うーーーん、微妙。( ̄∀ ̄) 低域が物足りない??
といわけで、結局サーモウールは使わないことにしました。




音質について その六 : 周波数補正特性の仕上げ (2013年6月29日)

上の周波数補正特性の図は、実は見やすい様に平滑化をして表示しています。 実際のスペクトルは 右図みたいにギザギザしています。 のラインが左スピーカー、のラインが右スピーカーです。 1500回以上平均をとった結果ですからこのスペクトル自体は正しいのですが、それはマイクがあった位置でのことであって、位置が変わるとこのギザギザパターンも変化してしまいます。 特に周波数が高くなると波長が短くなるために 位置依存性が高くなります。 そういうわけで、この特性を鵜呑みにしてそのまま使うのはあまり良くないと思うわけです。



そこで、周波数が高くなるにつれてより平滑化が強くかかるフィルタを適用しました。 結果が右図です。 水色のラインが左スピーカー、黄色のラインが右スピーカーです。 おおまかな特性の凹凸は保存しつつ ギザギザがなくなっています。



右図は、上の2つの特性(左スピーカー)を比較したものです。



で、実際にギザギザ特性の補正フィルタと平滑化した補正フィルタを聴き比べてみました。。。変わらないね。。。うん、ぜんぜん変わらないわ。( ̄∀ ̄)はは
いいんです、趣味ですから。




結論 (2013年7月7日)

今回の振動ユニットの載せ替えは低音がもうちょっと欲しいと思ったからなのですが、結果として目的は達成できたという感じです。 非常に満足しています。 DIY AUDIO SA/F80AMG では出せなかった 50Hz くらいの音が気持ちよく出ています。

でもね、気が付いてしまったのですよ。。。PARC Audio DCU-F131W は正面から聴くとすっげーーー良い音がするってことに。 今のスピーカーは、聴く角度がほとんど横なのですが、当然ながら指向性の問題で 弱くなる帯域があるんですね。 普段聴いている状態から 立って正面から聴くように位置をかえると 音の違いにビックリします。

そういうわけで、通常タイプのスピーカーのエンクロージャーでスピーカーを作るプロジェクトを発動することにしました。 エンクロージャーはやっぱアルミかな。。。( ̄∀ ̄)